社長の村川でございます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

興研は創業以来、産業用マスクを中心としたセーフティ事業で成長して参りましたが、近年オープンクリーンシステム「KOACH」を中心としたクリーン事業を立上げ、新たなステージへ登ろうとしています。

私たちは新たな成長に向け、興研のＤＮＡとも言える「人を育てる」「技術を育てる」「クリーン、ヘルス、 セーフティで新市場を育てる」ことを経営理念に掲げました。

次世代ではヘルス事業を第3の柱に育て、「クリーン、ヘルス、セーフティ」それぞれの事業を一本立ちさせることで、安定感があり、かつ力強く成長していく企業になるべく、経営陣、社員一丸となり取り組んでいるところです。

引き続き、みなさまのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

当社グループは、上記の経営理念のもと、長期的・持続的発展を目指した経営を進めております。

現在の経営環境は変動が速くまた激しく、内外ともに不確実な状況にあります。

当社グループはこのような状況においては、「クリーン、ヘルス、セーフティ」の分野でオリジナリティのある技術革新をベースに新市場を育てることを変わらぬ長期目標としつつ、1年1年具体的活動目標及び活動計画を策定し着実に遂行すること、そして経営環境の様々な変化に合わせ迅速かつ柔軟に計画を修正・変更し目標を達成していくことが長期的・持続的発展を遂げるための確実かつ最善な方法と考えております。

当社グループは上でも述べました通り、現在「クリーン事業」と「ヘルス事業」を「セーフティ事業」に次ぐ、第2、第3の柱とすべく、これまで世の中になかった当社グループオリジナルの製品を開発し、市場そのものの育成・拡大に注力しております。

こうした方針から急速な収益の拡大や資本効率の追求を行うのではなく、まずは「クリーン」と「ヘルス」の分野において新事業の育成に徹し、その結果として売上高、営業利益の拡大及び営業利益率を向上させていくことが当面の課題と捉えております。

当社グループの研究開発拠点「先進技術センター」は、技術開発員が集結して英知を交わし、「技術を育てる」能力の向上に大きく寄与する施設であります。今後は、社外の諸機関・企業との連携や共同研究を推進する場としてそのプレゼンスを高めるべく注力し、持続的な発展、企業価値の向上を目指します。

株主の皆様におかれましても、当社グループの成長を引き続き長い目でご期待頂ければ幸いに存じます。

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、国内景気は不安定ながらも各種政策効果もあって上昇基調が期待される一方で、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行懸念など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクも想定され、先行き不透明感は続くものと予想されます。

このような状況下にあっても、当社グループは技術力をベースにした総合対応力により全社一丸となって市場開拓に向かいます。

2024年12月期は、感染対策用マスクの需要はコロナ禍前の水準へ戻ることを想定しておりますが、産業用マスクの拡販、オープンクリーンシステム「KOACH」の納入回復により増収見込みです。

業績予想につきましては、売上高108億円（当年度比2.0％増）、営業利益10億10百万円（同0.2％増）、経常利益10億円（同2.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益7億円（同0.2％減）としております。

セグメント別の見通しは以下の通りです。

（マスク関連事業）
産業用マスクの販売は、産業活動の改善に伴いベース売上が堅調に推移する見込みです。さらにインフラ整備のための改修工事の増加も予想されており、引き続き受注拡大に注力してまいります。

また、2024年4月施行の化学物質の自律的管理に向けた省令等改正によってマスクの選択方法が変更されることから、次期後半からの買替え需要も期待されます。

しかしながらコロナ収束に伴う感染対策用マスク需要の反動減が大きく、当事業全体の売上高は88億円（当年度比5.1％減）を予想しております。


（環境関連事業）
2024年の世界半導体市場は再拡大するとの予測が出ており、国内市場も同様に拡大する見込みです。こうした市場拡大の追い風を最大限活かし、オープンクリーンシステム「KOACH」を成長軌道に加速させる取り組みを行ってまいります。

具体的には、クリーンルームをお持ちのユーザー様への清浄度確認の推奨や熊本ショールームを始めとする全国6か所のショールームをフルに活用した課題解決型の提案営業をさらに強化します。

半導体集積により新生シリコンアイランドとして活況を呈する九州地区においては半導体関連企業との関係強化を行うなど、営業力を結集させた組織営業での受注拡大を図ってまいります。

これらにより、当事業全体の売上高は16億円（当年度比65.3％増）を予想しております。

なお、海外展開の第一歩として米国スタンフォード大学半導体研究所にて、KOACHシステムの活用を開始する予定であります。

（その他事業）
内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」の販売については、新規・既存顧客を問わず1件１件着実に実績を積み上げてまいります。

当事業全体の売上高は4億円（当年度比15.8％増）を予想しております。

（注）本サイトに記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在（「2023年12月期決算短信〔日本基準〕（連結）」開示日／2024年2月9日）入手している情報及び合理的と判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があります。

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